人と組織研究所 気づきナビゲーター 高橋貞夫

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2019年12月 1日

決断(ビジネスサプリメント730号)

ご支援していた会社で仕事を手一杯抱えておられる方がいた。その方は
「人も足りないし、自分がやった方が速いから人に任せられない」と言うではないか。そこで筆者が「まずは抱える案件の優先順位を判断されてはいかがですか?きっと問題点がはっきりしてきますよ」とお答えしたことがあった。
その後彼は仕事の一覧表を作成し、仕事のスケジュール化をされ、他の人にもある程度任された。そして優先順位を明確に判断して、場合によっては切り捨てるものも出て来た。今は非常に段取り良く、スピーディーに仕事を実践されるようになった。
判断という言葉から、筆者は入社間もない頃「早い判断か正しい判断か?」どちらが正解かをかなり上席の方に愚問したことを思い出した。その方曰く「早い判断!」とお答えになったことを思い出した。またまた筆者は愚問を繰り返し「どうしてですか?」と尋ねた。その方は即座に「判断というものにはタイミングがある、そのタイミングを逃すと何も残らない、やってダメなら修正すれば良いではないか」と答えられた。当時「なるほどなぁ」と思ったことがあった。
辞書には「判断」とは前後の事情を総合して物事の是非曲直(どうするのが一番良いのか)を決めることとある。それでは「決断」はどうだろう、なすべき行動、とるべき態度等を迷わずに決めることとあった。
言葉の遊びをしているのではない、今の時代に求められるのは「決断」ではないだろうか。
判断しても行動しなければ何の意味もない、決断は実践につながるのである。
自ら変革出来ないのは「決断力」が弱いと言わざるを得ない。先送り(あまりやりたくない)、前例主義(新しく考えようとしない)、思いこみ(柔軟に考えようとしない)のいずれかではないか。
早い判断をし、早い決断をしなければ実践には結びつかないものだ。
筆者も数知れず実践する場を逃した経験がある。大阪弁で「やってなんぼ!」
という言葉があるが、今まであまり好きな言葉ではなかった。しかし今の世の中の荒波を見るとまさにこの言葉が身にしみる。

2019/12/01 09:04 |

2019年11月 1日

画竜点睛(ビジネスサプリメント728号)

「画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く」という言葉がある。一般的には「頑張って描いたのに最後の最後で瞳(ひとみ)を入れるのを忘れていた、9分9厘出来ているのに肝心の1点が足りない」ことと理解されている。しかしルーツをたどれば、次のようなことらしい。昔中国に張という画の名人がいた。ある時、今にも天に昇ろうかという2匹の竜を書き上げた。ところが名人は、いっこうに瞳(ひとみ)を入れる様子がない。不思議に思い、目を入れて欲しいと皆が言うと「それは困る、せっかくの竜が天に昇ってしまう」と名人は言う。いくら何でもそれはないだろう。慢心だ、怠けているのだと皆本気にせず、点睛をせがんだ。しかたなく名人がしぶしぶ筆を入れると、瞬く間に激しい雷鳴がとどろき、天に昇って行ったという。絵の中には1匹のみが残ってしまった。名人が描いたのはまさに竜の魂であったということなのだ。竜の意味を理解し、魂を宿し、最後に点睛を行うという話から生まれた言葉だ。
企業において、瞳を点じるのは個々の現場の社員であることを忘れてはいけない。経営者は真剣に竜を描いたが肝心の点睛がなされず、天に昇らないということになっていないだろうか。それなりのプロジェクトを作り、建前上は立派な経営計画を作っているが、そんな企業ほど「不祥事」が発生するのは何故だろうか。
当面の数字に追われ、コンプライアンスが叫ばれているのに、まぁどこでもやっているという意識が働くのではないだろうか。
どうすれば竜に魂を吹き込めるのか?その解は社員1人1人が「自由にモノが言え「ワイワイ・ガヤガヤと話せる風土」があればいいのだと思う。何だ、そんな単純なことかと言われそうであるが、筆者はさまざまな企業のお手伝いをしながら、実際は自由にモノが言い合える環境や風土にはそうそうお目にかかったことが少ない。「上向き内向き」企業病におかされているケースが圧倒的に多いのが現実である。
竜に点睛、それは小手先の技術ではとても出来ないことなのである。よって社員と経営者が一体となり「気楽にまじめな話」が出来る風土づくりをして、点睛をすべき時が来ている。


2019/11/01 08:23 |

2019年10月 1日

一隅を照らす(ビジネスサプリメント727号)

ある解説によると「一隅(いちぐう)を照らす」という言葉は、伝教大師最澄の著書より出典されたものらしい。
4字熟語では「一燈照隅(いっとうしょうぐう)、万燈照国(ばんとうしょうこく)」ともいうようだ。
「最初は一隅を照らすような小さな灯火でも、その灯火が十、百、万と増えれば、国中を明るく照らすことになる」という意味がある。
身近な話では、自分のことばかりを考えて生活していると、他人への思いやりの心がなくなり、正しい人間生活を送ることが出来ない。
職場や家庭など自分自身が置かれたその場所で精一杯努力し、明るく光輝くことの出来る人こそ尊い。一人一人がそれぞれの持ち場で全力尽くすことによって社会全体が明るく照らされていくとあり、「人の痛みがわかる人」「人の喜びが素直に喜べる人」「人に対して優しさや思いやりが持てる心豊かな人」こそ、宝であると述べられている。
組織の仕事もこれと同じではないだろうか。一人一人の役割を全うし、それがより集まれば大きな光(成果)となるのである。「トップに立つ人は光輝いているだろうか?現場第一線の人達は光輝いているだろうか?あまりにも閉塞感が蔓延していないだろうか?」一度振り返ってみてみよう。個人個人でいろいろな思いや悩みがあるかも知れない。「今の自分の心の中の万燈は全て光輝いているだろうか?」
もし一燈が消えかかっていたら万燈が消えるかも知れない。
その時々で心の状態も違うのは当たり前である。一燈を灯すだけでも大変な努力がいるし、努力し続けないと光は消える。また強い「勇気」や「信念」が必要ではないだろうか。上杉鷹山ではないが「種火」は消してはならないし
「あきらめない・あせらない・あわてない・あなどらない・あてにしない」の5つの(あ)を忘れてはいけない。自分自身が光れば周りの人達も光輝くものだ。
「面白くない時も」「落ち込んでいる時も」絶対に一燈も消さず、努力を続けたら素晴らしい結果が出てくると確信する。

2019/10/01 08:43 |

2019年9月 1日

3000万人(ビジネスサプリメント726号)

総務省が過日発表した2019年6月の労働力調査で、女性の就業者数は3003万と比較可能な1953年以降で初めて3千万人の大台を突破したようだ。前年同月に比べて53万人増え、就業者全体の伸びの9割近くを女性が占めている。これは専業主婦らが新たに仕事に就くことが増えているためだ。
男女合わせた就業者は6747万人、女性の就業者が全体の44.5%を占め09年平均と比べて2.6ポイント上昇したらしい。一般的に女性の場合、30歳前後から結婚や出産を機に辞め、就業率が下がる「M字カーブ」が課題とされてきたが、解消に向かっているようだ。しかし女性の力を生かせる環境が十分に整っていると言えるだろうか?資料によると女性の管理職の比率で欧米は3~4割なのに、日本は1割台と厳しい状態である。
以前ご支援したところで少人数ではあったが殆ど女性ばかりという企業があった。
トップをはじめ管理者は全て女性である。特に管理職は外部の研修にも参加されることが多かった。産前産後休暇や育児休暇も整い、皆さんイキイキと働かれていた。もちろんフレックス制で、ご自分の生活パターンにあった勤務時間の設定も出来るのである。また育児休業後も短時間勤務が選択出来、その時の役割も明文化されていた。かなり長期に亘ってご支援してきたが、出産を機に退職された方は1人もおられなかった。育児中だからと過剰に配慮されることもなくご本人も自然体である。
総務省の発表による女性の働き方の多くはパート社員など非正規で、女性の雇用者全体の55%を占めているようだが、ご支援していた企業は全て正規社員であった。
今後は非正規社員として働く女性の力をもっと生かすことが大切なことであろう。また保育所不足が女性の就労意欲の足かせにならないように、安心して預けられる場所も必要である。
少子高齢化の現在、働き手の大きな力としての女性の方々をどれだけ引き出せるかは、経営者層の雇用問題解決の大きな責務と言えるのではないだろうか。

2019/09/01 08:10 |

2019年8月 1日

早期退職(ビジネスサプリメント725号)

先日の日経新聞に「早期退職はや8000人」という記事が掲載されていた、面白い記事だったので少しご紹介してみる。「人手不足が続くにもかかわらず、大企業で定年前の退職を募る早期退職が増えている。2019年1~6月には上場企業の17社が合計で約8200人の早期退職者を発表し、半年で18年を上回った。業績が好調なうちに人員を適正化して事業環境の変化に備える動きも目立つ。応募者側も人生100年時代をにらみ、早期にキャリアの再設計に動く中高年も増えている」とあった。
19年1~6月に上場企業が募集を発表した早期退職者数は18年の年間の人数の約2倍になっているようだ。また45歳以上を対象にした早期退職者も増えているらしい。
但しこれはあくまで上場企業や、スタートアップ企業などの引き合いも強く、またデジタル化に伴う若者が必要とされている状況もあり、中小企業や零細企業の実態はまだまだ「人手不足」が続いている現実は否めない。
リクルートワークス研究所によると、企業が年功序列から成果主義型にシフトするなか、上場企業では40歳代で課長になる人は10年前に比べて2割減り、40歳代で会社での自分の先が見えてしまい、モチベーションを持って働くために早期退職で新天地を求める人が多いと分析していた。人生100年時代を見据えた動きかも知れない。
早期に退職を決意したら、自分には「何が出来るのか?何が強みなのか?」をはっきりさせておかないと上手くいかないことは必定であるし、筆者の知人でも慌てて応募してもミスマッチのケースを多く見受ける。
また定年後の転職もそう簡単にはいかないケースを数多く見ている。いくらキャリアがあって、強みを持っていても企業は年齢で線を引きたがる場合が多く、上手く退職できない実態がある。最近、ハローワークの窓口は中高年の方々が多いらしい。
記事の末尾に「中途採用市場が広がり、年功ではなく実力主義の評価・賃金制度を持つ企業が増えれば、高齢者も60歳を超えて再雇用になって賃金が一律にカットされるといったことがなくなり、モチベーション維持につながる」とあったが、早期退職はまだまだそれにはほど遠い現実があることを忘れてはいけない。

2019/08/01 06:07 |

2019年7月 1日

雇用のトリアージ(ビジネスサプリメント724号)

昔は日本企業の3つの特色として終身雇用・年功序列・企業内組合があったが、もう遠い過去の話しである。組合の組織率の低下、年下の上司は当たり前の世界となった。
中高年になると超人でない限り体力は落ちてくるし、若い頃より生産性も下がるかも知れない。しかし一概に「歳」だけが問題だろうか。若いのに年寄りのような保身的・受け身的な人をよく見かける。またお歳召しておられるのに、聡明で気力・体力・知力がありお元気な方も多い。
私は二度中高年の方々の退職面談をした。一回目は「希望と言う名」の退職面談であったが、二回目は数百名の中高年退職勧奨的面談だった。単に年齢だけで線引きされた対象者であった。その時思ったが自分自身が辞めるのは簡単だが、退職勧奨は誠に辛い仕事である。自分自身も出社拒否的状態になったし、今でもいくら仕事と割り切っても心の大きな傷として残っている。
ある病院の院長が述べておられたのだが、その病院の外科医の次のようなお話を思い出した。「今病院はどこも満床で救急患者ですら入院させられない状態、これからという若者達が治療を受けられなくて助からないケースもある、先の短いお歳の方はみんな退院してもらい、若者達にベッド増やしてあげたい」というものだった。院長はとんでもない、「ベッドを増やす努力をすべき」とコメントされていたが、救急医療の救命優先度を決めるトリアージを思い起させる話である。
振り返って今の企業でもこのような乱暴な発想で中高年をリストラする企業を多く見かけるが「雇用のトリアージ」ではないか。そのような企業は将来きっと「破綻」するのではないだろうか?
もっと公平な尺度で判断していかないと、世界との競争力もますます落ちてくるし、閉塞状態が蔓延してくるように感じる。生産年齢人口が減少する現在、
ますます中高年を活かすやり方が求められている。

2019/07/01 07:24 |

2019年6月 1日

魳<カマス>(ビジネスサプリメント723号)

先日ある企業で「学習性無力感」のお話をした時のこと、聞いていたHさんが「学習性無力感」に大変興味を持たれ写真や図入りでまとめたニュースレターを作られて、私にくださったのである。
私の話しに更に付加した説明も入っており、面白い内容なのでお許しをいただいて少しご紹介したい。
カマスは新潟県より南の日本海沿岸、瀬戸内海、南シナ海、東シナ海などに広く生息していて、西日本で多く漁獲されている魚である。カマスの種類は約20種類で、一般的に市場に出ているカマスは、体調20~30cmほどの「アカカマス」と「ヤマトカマス」がある。また体長100cmを超える「オニカマス」もいる。ちなみにアメリカでは、「オニカマス」が小魚を猛スピードで突進して捕食する様子から「生きる魚雷」とも呼ばれているそうだ。カマスは「叺<かます」という日本語があるように、大きな口がその名前の由来になっているとか。
イワシなどの魚を捕食するために鋭利な歯もついており、実際とても攻撃的な魚だ。実はこのカマスの興味深い研究結果がある。
「カマスの法則」この現象を「学習性無力感」と呼ぶこともありどんな法則か?
① 水槽の中を2匹のカマスが自由に行き来できている状態で水槽にエサを入れると、カマスはエサに向かって凄い勢いでがっついていく、言うなれば「何の障害もない状態」である。
② 次にこの水槽に透明な仕切り板を付ける、そしてその先にエサを入れたらどうなる?カマスは透明の仕切り板があるにも関わらず、エサをめがけて猛突進!ところが仕切り板を突き破ってエサにたどり着くことは出来ない。するとカマス達は体当たりすることを諦めてしまう。
③ そのあと、透明な仕切り板を水槽から取り除いてやる、そうするとエサは食べられる状態になるが、カマス達はエサに見向きもしない、諦めるということがインプットされるのである(即ち無力感を学習する)。
④ そこで今度は、水槽に別の新しいカマスを入れてみる、新しいカマスは仕切り板があったことを知らないので普通にエサのあるところまで行ってエサに食らいつきガツガツ食べ始める。
⑤ すると、それを見た「諦めカマス」達は仕切り板のあった向こう側へ行きエサを食べ始める。

途中からやって来た新しいカマスの存在が「諦めカマス」が再び「がっつきカマス」になる活力を取り戻す刺激剤となる。学習性無力感はまさに③の状態で、
これは心理学者セリグマンによって提唱された考え方で、人間にも同じことが当てはまるのだ。

2019/06/01 06:44 |

2019年5月 1日

人口減社会(ビジネスサプリメント722号)

新しい令和の時代が始まった。まず人口減社会を考えてみたい。

日経新聞によると、先日総務省が発表した2018年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は17年の同じ月に比べて26万3千人少ない1億2644万3千人だったようだ。減少は8年連続、減少率は0,21で統計を取り始めた1950年以来、最大となったとある。また1年間の出生数から死亡者数を差し引いた人口の自然増減は42万4千人の減少。自然減は12年連続で高齢者の増加と出生数の減少が背景にある。年齢層別の割合を見ると、15歳未満の人口は全体の12、2%で過去最低となり、70歳以上は何と
20、7%と初めて20%を超えたようだ。労働の担い手となる15~64歳の「生産年齢人口」は51万2千人減の7545万1千人となり、総人口に占める割合は59,7%で、50年以来最低となったのである。まさに人手不足が成長の足かせとなりかねない実態が浮き彫りとなった。まさに少子高齢化時代そのものであるが、70歳以上が20%はいささか驚いた。そう団塊の世代の最後の方々は70歳を迎えるのだ。
知人の男性で60歳定年を迎えて、継続雇用をせずに他の企業に2年間在籍した方がおられたが、どうも自分が満足出来る仕事ではないとのことで辞められた。
気分を変えて事務職募集に応募されたが、何と4人の求人に25人の応募、
中高年者や女性の応募が多かったとかでNG、特にシニアでまだまだ力もあり仕事がしたい方は沢山おられるのだ。また現在女性で働いている方が50%を超えたらしい。
若者が少ない時代を迎えて、ますますシニアや女性の活用が喫緊の課題になってくるものと思われる。
映画「マイ・インターン」のロバート・デ・ニーロのような70歳代の「経験値」を活用しなければ生き残っていけない時が来ているのは言うまでもない。
最近のニュースだが厚労省も70歳以上も厚生年金加入を検討しているとの事。
AIやロボット技術の活用と共に、機械にとって代われない人間特有の能力を伸ばすことも大切であり、それは好奇心や共感、経験値から培われた社会性のスキルではないだろうか。まさに「経験や好奇心は色あせない」のである。
今ほど働き手と企業の双方の意識改革が求められる時はない。

2019/05/01 08:31 |

2019年4月 1日

人生100年時代(ビジネスサプリメント721号)

先日の日経新聞に「人生100年時代の罪」と題して旬の記事が掲載されていた。最近は「人生100年時代」という言葉はリンダ・グラットン氏の「ライフシフト~100年時代の人生戦略」という著書が出されて以来、当たり前のように使われている。記事を少し紹介すると、安倍政権が「人生100年時代構想推進室」を立ち上げたのが2017年9月だったようだ。主旨は<新たなことにチャレンジしようという意欲ある人たちが学び直し、新たな人生を始めることが出来る。そういう社会にすることで、日本は活力ある社会を維持し、発展することが可能になる>と国民に呼びかけたとあった。
世界銀行の調べによると、16年時点で日本の平均寿命は84歳で香港に次ぐ世界第2位となり、医学の進歩もあり平均寿命は延び続けており、人生100年も夢ではないような時代になって来たようだ。
一方「定年後40年?足りるかな、お金」という長い老後に備えた資産運用を勧めるTVCMもあるらしい。定年が無くなったり、60歳定年が65歳になったり、70歳代でも働いている人が増えて来た現実もある。また人生が長くなるとやりたいことが出来る時間が増える半面、長い老後をどのように暮らすのかという不安も出てくるのではないだろうか。
総務省の家計調査によると18年の平均貯蓄率は26,6%で2000年以降では最高になったらしい。収入が増えても、将来への不安から消費を抑える傾向も
とみに強まっているのではないだろうか。雇用者報酬は増えたが、なかなか消費に結びつかないし、盛り上がらない、今後のための生活防衛もあるのだろう。
織田信長の好んだ「人生50年、下天のうちをくらぶれば・・」という敦盛の一節も紹介されていたが「100年時代だったらあれだけ天下統一を急いだだろうか」と書かれていたのは非常に印象的だった。
要は「人の生きる長さ」よりも、「どのように生きるか」が問われる時代に突入したのである。

2019/04/01 06:30 |

2019年3月15日

やる気後進国(ビジネスサプリメント720号」)

先日の日経新聞に脱せるか「やる気後進国」というテーマで面白い記事があったので少しご紹介する。
記事には「米ギャラップが企業の従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)を調査したところ<熱意あふれる社員>の割合は、アメリカが32%なのに対し、日本はわずか6%に過ぎなかった。調査した139カ国中132位と最下位級だ。しかも日本は<周囲に不満をまき散らしている無気力な社員>の割合が24%、<やる気のない社員>が70%に達した」とあり、本当に驚いた。
我々の時代は終身雇用が社員の安心感を生み、組織に貢献しようと勤勉に働くことが当たり前であった。
以前にご支援した企業でも不満ばかりを言い、自分が「主語」にならない人もおられたが、いわゆる「自責」ではなく「他責の人」が多いと、そのマインドは伝染する恐れがあり、全体の生産性に悪影響を及ぼす。
また記事には「リクルートホールディングスの中核会社リクルートキャリアではデータを活用して社員のやる気を測り始めた。活動出来ていない社員を見つけ、活躍の場を提供するらしい、全社員の7年間の考課や残業時間、異動回数など46種類のデータを盛り込んだアルゴリズム(ある特定の問題を解いたり、課題を解決したりするための計算手順や処理手順のこと)を使い、1年後のやる気を4段階で測る。一部の職種では社員持ち味を発揮できる部署を自動提示するシステムも導入、3か月に1度の本人の満足度調査も踏まえ、上司が最適な職場や働き方を示す」とあった。そんなややこしいことをするなら、AIやロボットで十分ではないだろうか?データで人のやる気が本当に測れるのか疑問が残る。
最も大切なことである「やらされ感」から「達成感」へチェンジするマネジメントを忘れているような気がする。「ヤッター!」という達成感が「やる気」を高めるのだ。
大事なことは相手に如何に「気づかせる」のかが問われるのではないだろうか。様々な人材が集い、働き方も多様になりつつある現在、一番「人財」が最重要であり、結果として拙著「気づける人はよみガエル」になると確信する。

2019/03/15 08:08 |

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